出版したい人のための、出版業界用語!発売から初版、増刷、印税まで。
出版したい人のための、出版業界用語を解説!発売から初版、増刷、印税まで。
いつか出版したい人、これから出版する人に向けて、編集者とよく話が出る業界用語、皆さんが気になる情報を紹介します。その2。発売から初版、増刷、印税までを、説明していきます。
本の発売日:
正確には、本の発売日は、あってないようなものです。
あるのは、出版社が倉庫から、取り次ぎ店(書店と出版社を取り次ぐ位置づけ)へ向けて出荷する日だけです。
取り次ぎ店は、大手書店へは、直送便があるようで午前中に入荷したらすぐ、午後には主要書店へ届けるようです。東京の主要書店は、出版社が出荷した日の夕方には、お店に並ぶことが多いようです。Amazonも、出荷日の夕方くらいには、発売開始となります。
出版業界は、90%以上が東京に集中しているため、東京での話になります。地方は、そこから発送するため、書店への入荷は、次の日になります。どちらにしても、書店の担当者が、出勤していればの話しです。
初版:
出版社が最初に印刷する部数です。
発売日前に、出版社がFAXで書店へ注文を確認します。もしくは、営業部隊がいる出版社は、営業が直接、注文を取ることもあります。この部数によって、初版が決まります。今は、小さな出版社で3,000部~4,000部です。知名度のある出版社で5,000部前後ではないでしょうか。(月1冊出版だけで勝負するところは、もっと初版が多いところもありますし、1,000部~2,000部というところもあります)
3年くらい前は、6,000部前後でした。有名人は、20,000部スタート、もっと多い方もいますが、ほんの限られた人だけです。少し前の本、有名著者や出版コンサルタントが書いた本には、初版は、8,000部前後とか書いてありますが、基本的にそんなに多いことはありません。
増刷(重版):
初版部数では売り切れてしまいそうだとなったときに、追加で印刷します。これが、増刷(重版)です。増刷1回目で2刷り、2回目で3刷りと言います。
売り切れてからではなく、売り切れそうな勢いがあるときです。発売から、1ヶ月が勝負です。
増刷(重版)の有無が、出版社、著者の生命線です。著者は、絶対に、増刷(重版)するように頑張らないと次がありません。ですが、この出版不況の中、増刷(重版)率は、正確な数字は分かりませんが、いろいろなデーターを調べる限り、すべての出版されたものを考慮すると、10%~15%くらいではないかと思います。これは、もちろん、出版社によって違います。
何度も言いますが、数年前と比べてさらに出版不況で、本が売れません。書店で、今まででしたら追加注文してくれていた場合でも、追加注文してくれなくなりました。10年前、いや5年前とは、全く違いますから。著者や編集者で、増刷(重版)率が50%以上の人は、すごいです。
印税:
この印税の話しは、ほんと、みなさん興味があるようで、出版セミナーを開催すると、必ず聞かれます。
基本的な話しをすると、今は、6%~8%くらいだと思っておいてください。
昔の著者、売れている著者は、10%が基本だと言いますが、初めての著者の印税が10%であるケースは、まずないです。数年前は、印税が10%であった出版社も、今は、印税8%などと、この出版不況で軒並み下げられています。
初心者でも出版しやすい出版社は、4%~6%程度です。増刷すると、パーセンテージが上がる場合があります。どちらにしても、本が売れないこの時代、本の印税だけでは、会社員でいうボーナスくらいにしかなりません。しかも、企画を考える時間、執筆時間、書店への販促を考えたら、全く儲かりませんよ。お金だけ考えたら。それ以上に価値があるから、私は、著者業を続けているのです。
書籍『売れる言いかえ大全』(フォレスト出版)
○お客様との別れ際に
売れない人は「失礼いたします」(しか言わない)
売れる人は「本日はお会いできてうれしかったです! 」
○クロージングの最後のひと言
売れない人は「契約していただけませんか?」
売れる人は「ぜひ一緒にやりましょう! 」
など合計100法則。400ページの鈍器本。