未来の楽しい出来事を想像し、実際に経験する前から幸福や楽しさを得る 予期的効用 行動経済学
予期的効用とは

ナウェインらの研究によると、旅行の幸福度がいちばん高いのは、旅行中でも旅行後でもなく、出かける前の計画中なのだそうです。
11年ぶりの5連休も、いまがきっと楽しい盛り。営業も似ていて、導入後より提案中がいちばんワクワクします。
期待値の扱いは、やさしく丁寧にいきたいですね。
ナウェインらの研究では、旅行を予定している人は旅行前から幸福度が高くなることが示されています。旅行は、出かける前からすでに楽しい。行動経済学でいう「予期的効用」にもつながる話です。
予期的効用(anticipatory utility)とは、将来起こる楽しみを想像することで、実際にその出来事が起こる前から得られる満足や幸福のことです。
たとえば旅行なら、実際に旅行している時間だけでなく、
「どこへ行こうか」
「何を食べようか」
「どんな景色が見られるだろう」と考えている段階ですでに楽しい。これが予期的効用です。
典型的な例は、旅行、コンサート、デート、プレゼント、レストランの予約などです。場合によっては、「楽しみに待っている時間」そのものが、実際の体験と同じくらい価値を持つことがあります。
行動経済学では、Loewenstein(1987)が、将来の楽しみを待つことから得られる効用を扱い、savoring(楽しみを味わいながら待つこと)という考え方を示しています。
逆に、将来の嫌な出来事を考えて、起こる前から苦痛を感じることもあります。こちらはdread(予期的不安・恐れ)と呼ばれます。
一言でいうと、
「楽しみは、始まる前から始まっている。」
これが予期的効用です。
組織の不正・判断ミスを防ぐ講演・研修
組織の不正やコンプライアンス違反は、個人のモラルの問題だけで起こるわけではありません。権威への服従、損失回避、サンクコスト効果など、人間の判断のクセと組織の仕組みが重なることで起こります。
行動経済学・認知バイアスの視点から、「なぜ人と組織は判断を誤るのか」「どうすれば誤りにくい仕組みをつくれるのか」を考える講演・研修を行っています。
著書『1年目からうまくいく! セミナー講師 超入門』(実務教育出版)
情報提供型の講師ノウハウをすべて公開しました。
テーマ設定、シナリオやスライド、各種ツールの活用、リハーサル、受講料と集客、当日の場作りまで、ていねいに解説します。



