中古車販売店は、良い面と悪い面の両方を伝えると上手く行くーー両面提示の法則!

商品の良い面だけを見せる時代ではなくなった!


営業コンサルタントの大岩俊之です。今回は、中古車販売店にとってメリットのある「両面提示の法則」について紹介します。「両面提示の法則」とは、良い面だけではなく、あえて悪い面を見せることでお客様の信頼を得るという心理法則のことです。

今までの中古車販売店の販売スタイルでは、悪い面はあえて言わず、なるべく良い面だけを伝えることで、「少しでも良い商品に見せる」という手法が通用してきました。

これは、中古車販売店だけに限ったことではなく、新車を売るディーラー、商品を売る営業マン、学習塾、携帯ショップや家電量販店などでも似たようなことが行われています。

最近は、スマホアプリを使って、不要になったものを売買できるようになりましたが、悪い面を伝えないことで、あとからクレームになるケースが多いようです。やはり、新品より中古品の方が、クレームになる確率は上がりますので、注意しなければなりません。

中古車の場合、外装・内装ともにすべて状態が違っており、参考になるのは、第三者の査定票や評価点しかないため、より「悪い面」を伝えることが重要になってきます。ですが、自分たちに都合の悪い情報、例えば、小さなキズやへこみ、目立たないシートの汚れなどは、ユーザーにとって写真ではわかりにくい部分であるため、「言わなきゃ分からないだろう」と、問い合わせがあった際に隠す人もいます。

実際に、購入希望者が来店されたとき、小さなキズやへこみなどを正直に伝えてくれなかったことに対して不信に思うかもしれません。遠方のユーザーの場合、小さなキズやへこみなどを隠して納車したとしても、「キズがあるなど聞いていない!」と、あとからクレームになるかもしれません。

 

悪い面も示すことで、ネットでもリアルでも評価を上げる!


ネットで調べれば何でも分かる時代、お客様の不満や対応の悪さはSNSなどですぐに広まります。悪口がツイートされるだけではなく、比較サイトに悪いコメントが入ったり、悪い評価が付いたりして、証拠として残ってしまうのです。クレームになれば、お店の信用は確実に下がります。

結局、悪い面を隠さずに正直に話した方が、お客様が離れてしまうように見えますが、結果的に「信用できる販売店」となり、評価されることの方が多いのです。

このような問題を解決するためには、現物を見せることが一番なのですが、そうでなくても、普段から、下記の2つのことを心がけるといいでしょう。

1つ目は、査定表やWebサイトに掲載するときは、小さなキズやへこみ、目立たない汚れであっても、なるべく写真で見せたり、言葉で示したりすることです。逆に、他がやっていないことですので、安心する人も多いはずです。

2つ目は、問い合わせの際に、悪い面を、うそ偽りなく、正直に伝えることです。電話の相手がスマートフォンであれば、Skype、メッセンジャー、LINEなどのアプリを使って、リアルタイムで映像を見せることも可能になります。販売側が一工夫しましょう。

書籍『売れる言いかえ大全』(フォレスト出版)

重版決定!三省堂書店名古屋本店でランキング1位を取った『売れる言いかえ大全』。売れるセールスパーソンの「言葉づかい」を身につけて売上を爆増させる本です。

○お客様との別れ際に
売れない人は「失礼いたします」(しか言わない)
売れる人は「本日はお会いできてうれしかったです! 」

○クロージングの最後のひと言
売れない人は「契約していただけませんか?」
売れる人は「ぜひ一緒にやりましょう! 」

など合計100法則。400ページの鈍器本。