一般の大学院(アカデミック)、専門職大学院(MBAなど)の違い
日本人は、社会人になると勉強しないと言われています。これは、日本の雇用形態が、終身雇用で基本的には定年までクビにならないことが起因しています。そのため、学んで努力しなくても何とかなってしまうのです。そんな状況ですので、「リスキリング」という言葉も注目されるようになりました。
最近では、社会人の学びの場を提供する大学が増えてきました。それが、社会人大学院です。社会人向けに、土日や夜間に授業を行っていたり、社会人経験がない人(新卒)が受験する方法とは別で、社会人向けの入試(職務経歴や面接重視など)が行われています。
社会人大学院には、一般の大学院(アカデミック)、専門職大学院(MBAなど)の2つがあります。
一般の大学院(アカデミック)は、博士前期(修士課程2年)、博士後期(博士課程3年)と進んでいき、研究者を目指す要素が強いです。理系の場合は、大学院の博士前期(修士課程)に進んでから就職する人も多いです。最近では、社会人になってから、学び直す人も増えてきました。
専門職大学院は、社会人向けにできた大学院で、今のビジネスに結びつけるために勉強する大学院です。そのため、社会で活躍してきた講師が多く、ビジネスに生かすことができます。
一般の大学院(アカデミック):
「文化の発展を目指して学究的な研究活動を行う研究者」の養成機関。修士、博士論文が必須。
英語が苦手な方、自分で調べるのが苦手な方、大学名だけにあこがれる方は合格が難しいか、卒業できない可能性が高い。
専門職大学院:
「高度で専門的な職業能力をもつ職業人」を養成機関。ビジネス(MBA)、MOT(技術経営)、臨床心理士、公共政策、公衆衛生、法科大学院、会計大学院、教職大学院など。論文が義務付けられていない。
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社会人大学院の選び方!
目的がしっかりしている人は、専門職大学院(MBAなど)を目指しましょう。司法試験を受ける人は法科大学院、税理士の科目免除が目的の人は会計大学院になるでしょう。臨床心理士を目指す人は、専門職大学院の臨床心理士コース、一般大学院の臨床心理士指定大学院でも大丈夫です。近年、臨床心理士を目指す人が多いため、倍率が高くなっています。教授スキルを磨く教職大学院もあります。
多くの社会人が勉強のために目指すのは、ビジネス(MBA)、MOT(技術経営)になるでしょう。ビジネス、経営を学ぶ大学院です。同じ目的を持った学生が多く、実際のビジネス現場で働いていた教員も多いため、人脈ができたり、すぐ生かせる知識が身につきます。私立は、比較的入りやすい大学院も多いですが、学費が1年で150万円前後と高額です。2年で300万円前後になります。専門職実践教育訓練給付金があり、100万円ほどの補助があります。(雇用保険の条件あり)。国公立、有名私大は、倍率も高くなります。
一般的な大学院は、文系、理系、医療系など、多くの分野があります。博士前期課程(2年)、博士後期課程(3年)と進んでいき、研究者(大学の教員)を目指すルートにもなります。専門職大学院にはなっていないですが、ビジネスを専門で学ぶコースもあります。博士前期課程(2年)で学び、ビジネスの現場に戻る人もいます。公務員や大企業などでは、大学院にいくための休職制度があるようです。夜間、土日に授業が開講されることが多く、働きながら通うことが可能です。
文部科学省:専門職大学院一覧:
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senmonshoku/1246373.htm
専門職実践教育訓練給付金:
支払った学費の50%、年間上限40万円まで支給される。受講修了後、1年以内に目標とする資格を取得するなどの条件を満たせば、受講費用の20%(上限は年間16万円)の追加給付が可能。講座の受講開始日の時点で、雇用保険の被保険者だった期間が、通算2年以上ある人。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
リスキリング:
人材の再教育や再開発を行う取り組みのこと。自己啓発やスキルアップを目的とした「リカレント教育」や「学び直し」とは異なる。
●社会人大学院の入り方、選び方!
社会人大学院の受験方法!
社会人向けの受験は、大学から社会人経験なく大学院に進む場合に比べ、受験科目が減ったり、職務経歴や面接重視になったりします。社会人年数は、大学院によって違いますが、一般の大学院(アカデミック)などでは、3年を一区切りにしていることが多いようです。
受験時期は、夏と春の年2回おこなわれることが多いです。
専門職大学院(MBAなど):
—事前提出—
・課題、エッセイ(志望理由書)
・卒業証明書、成績証明書など
・履歴書
・職務経歴書
・推薦書(在籍証明書など)
—試験内容—
・小論文、筆記
・口述試験(面接)
※大学院によって、提出書類、試験科目が変わります
一般の大学院(アカデミック)のように研究計画書がない代わりに、課題、エッセイ(志望理由書)などが重要視されます。大学院によっては、研究計画書の提出や、筆記試験があったりします。
一般の大学院(アカデミック)の社会人入試:
—事前提出—
・研究計画書(これが最も重要)
・大学の卒業論文(業績報告書、研究報告書など)
・卒業証明書、成績証明書など
・履歴書
・職務経歴書(アピールを兼ねた経歴書であることも)
—試験内容—
・英語(辞書持ち込み可、TOEICのスコアを提出)
・専門科目(小論文の場合もあり)
・口述試験(面接)
※大学院によって、提出書類、試験科目が変わります
国公立などの大学院、人気のある研究科などは、英語、専門科目の試験に通過できないと、口述試験に進めないこともあります。口述試問は、研究計画書、経歴書など提出した書類の内容に基づいて質問されます。
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